パパ活ストーリー|48歳WEB制作会社経営の男性と元キャバ嬢24歳の割り切った恋の契約

第一章:出会いの予感 吉井正信48歳 年収2600万円

東京の夜は、ネオンの光がビルの谷間を埋め尽くし、どこか現実離れした雰囲気を漂わせていた。吉井正信、48歳。WEB制作とコンサルティング会社の経営者として、多忙ながらも安定した生活を送っていた。年収2600万円という数字は、彼の努力と才能の証だったが、心のどこかには埋められない空虚さが潜んでいた。結婚もせず、仕事に没頭する日々。社員10人の小さな会社を切り盛りする彼にとって、プライベートは後回しになっていた。

ある晩、知人の経営者との飲み会で、話題は意外な方向に転がった。「正信、お前もそろそろ楽しんだらどうだ? パパ活って知ってるか?」その言葉に、正信は一瞬眉をひそめた。自分には縁遠い世界だと思ったが、知人は目を輝かせて語り続けた。「ユニバース倶楽部ってとこがいいぞ。ハイクラスな女の子が多いし、気軽に会える。試してみなよ。」

半信半疑ながら、正信はその夜、帰宅後にパソコンを開き、ユニバース倶楽部のサイトを覗いてみた。洗練された女性の動画や、プロフィール写真が並ぶ、利用しているのは魅力的な女性たち。興味本位で登録を済ませると、面談の案内があり、それを済ませるとログインできるようになった。なんだか面倒なもんだな、正信は思った。

そして登録後、最初は様子見のつもりで、何人かの女性にオファーを出した。顔合わせは緊張と好奇心が入り混じった奇妙な時間だった。1人目は清楚な大学生、2人目はモデル風の長身美女、3人目は落ち着いたOL。それぞれ魅力的だったが、正信の中で何かが引っかかり、関係はそこで止まった。「やっぱり自分には合わないのかもな」と諦めかけた頃、4人目のプロフィールが目に留まった。

成宮ミキ、24歳。元キャバ嬢で、現在はパパ活で生計を立てているという。写真の彼女は、派手すぎないメイクと柔らかな笑顔が印象的だった。正信は迷わずオファーを送った。

第二章:心が弾む瞬間

待ち合わせ場所は、渋谷の高級ホテルのラウンジ。指定された時間に現れたミキは、写真以上に生き生きとしたオーラを放っていた。黒のワンピースに身を包み、ショートカットの髪が彼女の小顔を際立たせていた。正信は一瞬、言葉を失った。

「吉井さんですよね? はじめまして、成宮ミキです。」

彼女の声は明るく、どこか懐かしさを感じさせた。席に着き、コーヒーを注文すると、会話が始まった。

「正信さんって、WEBの会社やってるんですよね? すごいな。私、ITとか全然わかんなくて」とミキが笑う。正信は苦笑しながら答えた。「いや、そんな大したもんじゃないよ。社員も少ないし、日々バタバタしてるだけさ。」

だが、ミキの質問は止まらない。「でもさ、サイト作ったりするのってクリエイティブじゃない? 私、キャバ嬢やってた頃、お客さんに『お前は頭使わない仕事だな』って言われてムカついてたから、そういうの尊敬するんだよね。」その率直さに、正信は思わず笑ってしまった。

会話は驚くほど自然に弾んだ。ミキの軽快なトークと、時折見せる意外な知性に、正信は引き込まれていく。彼女が語るキャバクラ時代のエピソードや、パパ活を始めたきっかけ。それは正信の知らない世界だったが、なぜか遠い昔、自分の20代の頃を思い出した。あの頃の自分も、がむしゃらに夢を追い、失敗を恐れず笑い合っていた。

「正信さんってさ、もっと若い頃は遊びまくってたでしょ?」ミキがからかうように言うと、正信は照れ笑いを浮かべた。「いや、まあ、少しはね。でも今じゃすっかりおじさんだよ。」「嘘、おじさんって感じしないよ。なんか、話しやすいし。」ミキの言葉に、正信の胸が温かくなった。

第三章:深まる絆

その後も、正信とミキは定期的に会うようになった。最初は食事やお茶だけだったが、次第に距離が縮まっていく。ミキの奔放さと、正信の落ち着いた優しさが不思議と調和していた。ある夜、ミキが提案した。「ねえ、正信さん。今度、どっか泊まりで旅行行かない?」

正信は一瞬驚いたが、彼女の笑顔に押されて頷いた。お手当は10万円、これには戸惑いを感じたが打算の関係、それが二人の関係だと心に言い聞かせた。

二人は箱根の温泉旅館を訪れ、静かな夜を過ごした。浴衣姿のミキが縁側で月を見ながら呟いた。「私さ、こういう穏やかな時間ってあんまりなかったかも。いつも派手な生活ばっかだったから。」正信はそっと彼女の手を握った。「俺もだよ。仕事ばっかりで、こんな時間忘れてた。」

その夜、二人は自然と体を重ねた。それはミキにとっては打算の恋、正信にとってはある意味打算を超えたもの、なのに、この関係はなぜか純粋な感情の交錯のようだった。正信にとって、ミキはただの「パパ活女子」ではなく、心を揺さぶる存在になっていた。一方、ミキもまた、正信の誠実さに惹かれ、自分でも気づかないうちに彼を求めていたのかもしれない。

第四章:揺れる心と契約の現実

正信とミキの関係は、パパ活という明確なルールのもとに成り立っていた。毎月、正信はミキに20万円を振り込み、旅行の際には現金で10万円を手渡した。最初の頃は、それが自然な取引だった。正信にとっては仕事の疲れを癒す贅沢な時間であり、ミキにとっては生活を支える収入源だった。二人とも、それを「大人の契約」と割り切っていた。

だが、半年が経つうちに、二人の間に微妙な変化が生まれていた。箱根の温泉旅行以降、正信はミキと過ごす時間が単なる息抜き以上のものに感じ始めていた。彼女の笑顔や、時折見せる素直な一面が、彼の心に小さな波を立てていた。一方、ミキもまた、正信の穏やかな優しさや、自分を対等に扱う態度に惹かれていた。キャバ嬢時代に味わった打算的な人間関係とは違い、正信との時間はどこか温かく、安心できた。

ある夜、また合う約束を済ませ、ミキが正信の誘う店へ訪れた。いつものようにワインを飲みながら、二人でソファに座る。ミキがふと呟いた。「正信さんってさ、私のことどう思ってるの?」正信はグラスを手に持ったまま、少し考え込んだ。「どうって…楽しいよ。ミキといると、なんかホッとする。」ミキは笑って誤魔化した。「ふーん、まあそっか。私もさ、正信さんと会うの嫌いじゃないよ。」

その言葉に、正信の胸が締め付けられた。本当はもっと深い気持ちを伝えたいと思ったが、「契約」という壁がそれを阻んだ。ミキもまた、正信の優しさに触れるたび、心が揺れるのを感じていた。でも、彼女は自分に言い聞かせた。「これは仕事だよ。深入りしたらダメ。」

第五章:終わりを迎える打算

半年が過ぎた頃、二人の関係に終わりが近づいていることを、どちらも無意識に感じ始めていた。正信はミキへの気持ちが抑えきれなくなりつつあったが、同時に、それがパパ活という枠を超えられないことも理解していた。一方、ミキは別の男性からの高額オファーを受けていた。月30万円という条件に、彼女の打算的な部分が動き始めた。

最後のデートは、銀座の高級レストランだった。ミキはいつもより少し落ち着いたドレスを着て現れ、正信はスーツ姿で迎えた。食事中、ミキが切り出した。「正信さん、私さ、そろそろ新しい人と会ってみようかなって思ってるんだ。」正信は一瞬、言葉を失ったが、平静を装って答えた。

「そうか…まあ、ミキがそうしたいなら仕方ないな。」

「半年間、楽しかったよ。本当にありがとう。」ミキの声は明るかったが、どこか寂しげだった。正信は笑顔で頷いた。「俺もだ。ミキのおかげで、色々思い出せたよ。」

その夜、いつも通り20万円の振り込みを確認したミキは、正信に最後のラインを送った。

「お疲れ様。またね。」

淡々とした言葉にどこかすっきりした感情を得た正信

正信は返信せず、ただ静かにスマホを置いた。

最終章:別れのあと

ミキは新しい男性とのパパ活を始めた。条件は良かったが、正信と過ごした穏やかな時間は、そこにはなかった。彼女は時折、正信のことを思い出し、胸がチクッとするのを感じた。でも、それを「ただの思い出」と押し込めて前に進んだ。

正信はユニバース倶楽部を退会し、再び仕事に没頭する日々を選んだ。ミキとの半年間は、彼にとって一時の夢だった。心のどこかに残る温かさと寂しさを抱えながら、彼は思う。「あれは打算だった。でも、確かに俺の心を動かした。」

二人の道は交わることなく、それぞれの人生に戻った。パパ活という契約は終わりを迎え、揺れていた気持ちもまた、静かに消えていった。

エピローグ:それぞれの道

ミキはパパ活を続けながら、いつしか自分の人生を見つめ直すようになった。新しい男性との関係は安定していたが、心のどこかで正信との時間が特別だったことを認めざるを得なかった。ある日、渋谷の交差点で信号待ちをしていると、ふと正信の穏やかな笑顔が脳裏に浮かんだ。「あの人は元気かな」とつぶやき、彼女は小さく首を振って歩き出した。

過去は過去。彼女は新しいブランドバッグを手に、次の約束へと向かった。

一方、正信は会社をさらに成長させることに力を注いでいた。社員数は15人に増え、年収も3000万円を超えた。だが、夜遅くオフィスで一人コーヒーを飲むとき、ミキの軽快な声が耳に蘇ることがあった。「あの半年は、何だったんだろうな」と呟き、彼は苦笑した。もう二度とパパ活には手を出さないと決めていたが、心の片隅には、ミキと過ごした箱根の夜が静かに残っていた。

二人はそれぞれの道を歩み続け、交わることはなかった。打算から始まった関係は、確かに終わりを迎えた。だが、その記憶は、二人にとって消えない小さな傷跡のように、人生の片隅に刻まれていた。

完 

※この物語はフィクションであり、実在の人物や出来事とは一切関係ありません。